土壌汚染による危険性
土壌汚染による危険性
日本における土壌汚染問題の原点は、カドミウム・銅・亜鉛などの重金属やヒ素が、金属鉱山や精錬所から排水・土砂などに混ざって排出され、農用地や下流の土壌まで汚染したことです。1960年代の富山県の神通川流域で発生した「イタイイタイ病」は、重金属が鉱山から流出して起きた事例の一つです。カドミウム汚染地域に長年住んでいてこの地域で生産された米や野菜を摂取したり、カドミウムに汚染された水を飲用することにより、多発性近位尿細管機能異常症や骨軟化症を発症し、長期の経過をたどる慢性疾患として苦しみました。その他、1870年代の渡良瀬川流域の銅汚染(足尾銅山鉱毒事件)、1970年代の土呂久地区の砒素汚染等があります。これらのことから、1970年に「農用地の土壌の汚染の汚染防止等に関する法律」が定められています。
一方、市街地の土壌汚染問題は、1975年に発生した東京都六価クロム鉱滓事件が先駆けであり、1980年代以降、筑波研究学園都市に移転する国立研究機関の跡地で多くの土壌汚染が発見されました。また、IC工場を原因とした有機塩素系化合物による地下水汚染が大きな社会問題となりました。最近では、ごみ焼却施設などから排出されたダイオキシンが発ガン物質であるとして、大きな社会問題となりました。
土壌汚染による有害物質が人体に進入する経路としては、主に以下のようになります。
・有害物質の皮膚接触により、皮膚から体内へ入る。
・有害物質が溶け出した地下水の摂取により口から体内へ入る。
・地下水を通して汚染された魚介類の摂取により口から体内へ入る。
・汚染された土で栽培された農畜産物の摂取等により口から体内へ入る。
・空中に揮発した汚染物質を吸込むことによる摂取により呼吸により体内へ入る。
また、土壌汚染により生活環境・生態系への影響は、主に以下のようになります。
・悪臭等による不快感
・地下水の油膜
・農作物・飼料用植物の生育阻害
・魚介類・植物・農作物等を通じて生態系への影響